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十和田への旅をすすめてくれたのは、彼のお父さん。
ご夫婦で泊まった宿が、いたくお気に召した様子で、楽しそうに想い出を語ってくれた。
お互いの時間をやりくりして、ささやかなバカンスを手にいれた私たちは、湖の見えるその宿に予約を入れた。
宿へと向かう車中からずっと、私は十和田の夏にとりつかれていた。
ひかり、ひかり、まぶしい青と緑。
息を吸いこむたびに、カラダじゅう夏色に染まっていく。
私たちを迎えてくれたフロントマンは、彼の両親のことを覚えていて、今度は皆様でいらっしゃってくださいね、と微笑む。
午後の光が揺れる部屋でお茶を飲みながら、私はもう、すっかりこのホテルのファンになっていた。
あたたかい木の色も、ちいさな図書館も、ふたりの時間を優しく包んでくれる。 |
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夕食後のラウンジでふたり、素敵な旅のはじまりに乾杯。
静かな酔いのなかで、こころがゆっくりほどけてゆく。
かわす言葉と一緒に、あたたかい想いもひらひら積もってく。
夏の夜のふたりの胸に。 |
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たくさんの夏の光に祝福されて、湖畔に遊ぶ。
緑の色と匂いをほんのりと乗せて、風が水面を通り過ぎる。
私たちは裸足になった、さんざん水辺でじゃれあい、草の上に腰をおろして空を見た。
空はどこまでも青くて、遠くにまっすぐ白い飛行機雲がみえた。
あなたは、そんな青い夏の空から生まれたような笑顔で、私を見てる。まぶしい、うれしい、夏色の休日。
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お風呂で同じ星を見てたよね、と私が言う。
ずっと同じ星を見ていたいね、とあなたは答える。
誓い、というには大袈裟だけど、ふたりの心に生まれたおだやかな約束。
野花で作ったちいさなリングを、あなたは私の指にそっとはめてくれる。
その優しい夢を、私はきゅっと握りかえした。
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